2020年2月下旬、私は学校外教育(Non-Formal Education)の用務でパキスタンに出張中でした。花粉症対策にとイスラマバードで購入したマスクを、COVID-19対策に東京で重宝する傍ら、世界では11億人の児童・生徒が瞬く間に学校を追われました(私の息子―小学校新入学―もその一人)。
本当に学校を閉じる必要・効果があったのでしょうか?季節性インフルエンザ等に有効と思われてきた従来の衛生教育や感染症対策は、COVID-19には無力で、学校は重篤者をもたらすような感染の場となるのでしょうか?
「濃厚接触なき学校(School without Close Contact)」や、在宅学習と通学を組み合わせた「Blended Schooling」は定着するのでしょうか?
本当に学びは阻害されないのでしょうか?インターネットへのアクセスが無く70人80人もの学級が日常の途上国で、子ども、保護者、先生はどう対応するのがよいでしょうか?
本当にたくさんの問いが去来します。
そして問いに応える証拠(evidence)の蓄積はこれからです。
COVID-19への脅威感は人、地域、国により本当に多様な中、しばらくは証拠なき模索の時期を過ごすことになりそうです。しかし、「より確からしい」学校再開、教育開発支援の構想では(学校での教育実践と同様に)、事実(Fact)と思い込み(Myth)の峻別がより一層重要となります。本特設サイトはそうした峻別に有用な、多様な情報に利便良くつなげてくれます。教育に携わる多くの方に役立つことを祈念しつつ。
(本稿はJICAの見解を示すものではありません)