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教育の現状(2020/5/7更新)
学校の状況(休業の状況)
1月に新学期が始まるルワンダでは、3月14日に国内で最初の感染者が出た2日後の3月16日からすべての教育機関(初等学校~高等教育機関)を休校としました。その後、学校の再開は早くても2020年9月と決定されました。初中等学校の学校暦は2020年9月から2021年6月に変更されます。ルワンダでは2019年から2022年にかけて、学校暦を段階的に早め、欧米と同じ9月始まりにする計画であったため、現在の状況に鑑み、計画を早期に実現させたことになります。学校が休校になった時点で1学期の終わり頃でしたが、2020年9月から再度1学期を繰り返す予定です。
政府の対応状況
ルワンダ教育省はコロナウイルス感染者が発生した翌日から順次、全寮制の中等学校の生徒を保護者のもとへ帰宅させています。サブサハラアフリカではいち早く、ルワンダでは3月22日からロックダウン(封鎖)を開始しました。医療機関受診、食料の買い物、銀行以外の外出は許されず、教員の多くが学校に教材やパソコンなどを置いたまま、取りに行くこともできなくなっています。
ルワンダ教育省は、開発パートナー(援助機関、NGOなど)と連携し、4月4日からラジオで教育プログラムを開始し、対応する学年や教科、連携ラジオ局数を徐々に拡大してきています。
また、4月15日から国営テレビ局や民間テレビ局で授業の放送を開始しました。5月7日時点では、ラジオ番組で対応していない学年や教科(中等学校の一部の学年・教科)の内容を放送しています。
ラジオやテレビ番組表は教育省のウェブサイト、Twitter等で公開されています。
ルワンダ教育委員会が運営するeラーニングプラットフォームでもカリキュラムに沿った教育コンテンツが提供されているほか、ルワンダ教育委員会のYouTubeチャンネルにも随時授業動画や音声がアップロードされています。ただし、YouTubeチャンネルの視聴数はあまり伸びていない状況です。
4月下旬からは携帯電話を使った自己学習評価として、様々な学年・教科に関する小テストサービスを提供しました。携帯電話の機種(スマートフォン、フィーチャーフォン)に関わらず、無料でアクセスできる仕組みとなっています(2018年の調査によれば、74%の家庭が携帯電話を所有しています)。
ただし、テレビ、ラジオ、インターネット等にアクセスできない家庭も多数あり、また障害のある子どもに対応したコンテンツもまだ提供できていないことから、政府は、学校再開後にこうした子どもたちが取り残されることのないよう対策を検討しています。
教育省は、教員に対しても、eラーニングプラットフォームのCPD(継続的職能開発)コンテンツを活用して授業の準備を進めるよう指示しており、さらに同プラットフォームによる教員研修の提供を検討しています。
出典:
ルワンダ教育省ウェブサイト
ルワンダ教育委員会ウェブサイト
子どもたちのいま
*情報収集準備中*
パデコの取り組み(2020/5/7更新)
校内研修を通じて、小中高等学校の先生の指導力向上を目指した「学校ベースの現職教員研修の制度化・質の改善支援プロジェクト(SIIQS) 」は、2019年12月に終了しました。しかしながら、現地の元プロジェクトスタッフらとも連絡をとりながら、可能な支援策を検討しています。
参考:
JICA-学校ベースの現職教員研修の制度化・質の改善支援プロジェクト
文責:松月さやか(プロジェクト・コンサルタント)