ガーナの教育の今

教育の現状(2021/9/6更新)

ガーナでは、2020年3月に最初の新型コロナウイルス感染者が確認され、教育機関が休校となりましたが、6月以降徐々に再開しました。2021年は1月から新学期が始まっています。

パデコの取り組み(2021/9/6更新)

パデコは2005年以降、ガーナの教育を支援しています。2020年3月からは「みんなの学校:コミュニティ参加型学習改善支援プロジェクト」に参画しています。

※写真は「初中等教員の資質向上・管理政策制度化支援プロジェクト」時のものです。


教育の現状(2021/9/6更新)

学校の状況

2020年3月16日からすべての教育機関が休校となり、オンライン/遠隔教育が急ピッチで整備、提供されました。2020年6月15日以降、卒業試験のある各教育課程最終学年が段階的に再開されましたが、教室あたり学生数の30名までの制限、9~13時の短縮授業などの工夫がされました。一方、多くの学年は休校が続き、登校再開は2021年1月でした。4月に学校が始まる日本と異なり、ガーナの学校は通常9月開始ですが、2020/2021年度は2021年1月開始となり、毎年段階的に卒業時期を早めることで、2023年度に元の学校暦に戻す計画です。学校再開後も校内での大規模集会やスポーツ活動は禁止され、ソーシャルディスタンスの確保とマスク着用が義務付けられています。

2021年5月に複数の小学校を訪れたところ、教育省のマスク着用啓発ポスターが貼られ、児童はマスクをし、席は少し距離を空けて座っていました。こうした努力はあるものの、長期間の休校は教育に大きな影響を及ぼしました。ある郡の教育行政官によると、学校再開後も学校に戻ってこない児童や中学生女子の早期妊娠事例が増えたそうです。

<2020/2021年度学校スケジュール>

  • 高等教育機関の学生:2021年1月9日~
  • 高校3年生/2年生(約半数(※)):2021年1月15日~
  • 高校1年生/高校2年生(残りの半数(※)):2021年3月19日~
  • 幼稚園児~中学生:2021年1月18日~

※高校の授業料無償化が開始され、入学者が増加しました。校舎新築や教員増が間に合わないため、一つの学校・学年に2つの入学時期の異なるグループを入れることで対応しています。一方のグループの休暇期間が他グループの授業期間となり、校舎・教員の問題に対応しているのです。これにより、生徒への教育機会を保障しており、2018年度よりを導入しています。

政府の対応状況

教育省は学校運営、衛生、児童生徒の安全について定めた「新型コロナウイルス下の学校再開ガイドライン」を学校開校前に公表し、全教育機関の消毒実施、マスク、ベロニカバケツ(簡易手洗い設備)、消毒液等の衛生物品を支給しました。校内にクリニックがある学校では新型コロナウイルス感染症対応に必要な資機材が整備され、ない学校には校外のクリニック等との連携促進がされました。また、2021年1月から、情報省・ガーナ保健サービスの協力のもと、教育省とガーナ教育サービスは学校再開に係る手順を保護者・児童・住民に伝える啓発キャンペーンを実施しました。

出典:
ガーナ教育サービスウェブサイト
2020/2021年度学校スケジュール 


パデコの取り組み(2021/9/6更新)

プロジェクトの概要

パデコは、2005年以来、現職教員の能力強化や職業訓練制度強化支援プロジェクトを各種実施してきました。2020年3月から「みんなの学校:コミュニティ参加型学習改善支援プロジェクト」に参画しています。

「みんなの学校:コミュニティ参加型学習改善支援プロジェクト」では小学校の学校運営委員会(SMC)を再活性化し、教育、特に算数の質を向上させるための活動を実施します。2020年は日本人専門家の渡航ができず、日本から遠隔で業務を行い、ガーナ教育サービスと連携してSMC向けのマニュアルを作成し、研修を行いました。日本人専門家派遣は2021年1月に再開され、研修を進め、各学校でSMCの再設立が進められようとしているところです。

参考:
技術教育制度化支援プロジェクト
現職教員研修政策実施支援計画プロジェクト
現職教員研修運営管理能力強化プロジェクト
初中等教員の資質向上・管理政策制度化支援プロジェクト
みんなの学校:コミュニティ参加型学習改善支援プロジェクト

文責:南雲達也(プリンシパル・コンサルタント)、松月さやか(プロジェクト・コンサルタント)


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