パプアニューギニアの教育の今

教育の現状(2021/9/5更新)

全国の学校や教育機関では、室内でのマスクの着用やソーシャルディスタンスを保つ等の規制はあるものの、現在は開校しています。

パデコの取り組み(2021/9/5更新)

パプアニューギニアにおける新型コロナウイルス感染症の状況により、専門家はまだ現地へ渡航できていませんが、カウンターパートや現地の養成校と遠隔で協議を重ねつつ、教員養成校の教材と講師用指導書の開発を進めています。


教育の現状(2021/9/5更新)

学校の状況(休業の状況)

PNG政府は、2020 年 3 月 19 日に初の新型コロナウイルスの国内感染者が確認されたことを受け、3 月 22 日に国家非常事態宣言を発令し、3 月 24 日から全国を対象に、州間移動の禁止や休校措置等を 6 月 16 日まで実施しました。全国の休校措置は、PNGの約240万人の子供達の教育に大きな影響を及ぼしました。
様々な規制により、PNGは、新型コロナウイルスの一定の抑え込みに成功し、国内における規制は徐々に緩和されましたが、同宣言の解除後、首都を中心に感染者が急増しています。全国の学校や教育機関では、室内でのマスクの着用やソーシャルディスタンスを保つ等の規制はあるものの、現在は開校しています。

出典:
“Papua New Guinea launches its COVID-19 Education Emergencies Response and Recovery Plan”

政府の対応状況

<休校期間中>

パプアニューギニアは、密林や離島などで隔絶された地域が多く残り、学校教育の普及を阻害してきました。反面、古くから遠隔教育が盛んで、ラジオ授業が遠隔地の教育を補完してきました。2000年代以降は、日本の協力によりテレビ授業が毎日放送されるようになっています。こうした経験を背景に、政府は休校後すぐさま、テレビ・ラジオ局に協力を要請、合計5チャンネルで日中の時間帯にテレビ・ラジオ授業を放送しました。

<休校解除後の対応>

2020年4月23日、教育大臣が5月4日に休校を解除する旨の声明を発表し、学校再開ガイドラインを公開しました。パプアニューギニアは4学期(クオーター制:41週)で今年の学校歴は以下の予定でした。

1学期:2/3~4/17(11週)
2学期:4/27~7/3(10週)
3学期:7/20~9/18(9週)
4学期:9/28~12/11(11週)

今時の休校期間は1学期の終わりから2学期の初めにかけての週間ですが、うち1週間は学期休みであったため、影響を受けたのは1学期最後の4週間と2学期最初の1週間、計5週間でした。この5週間の穴埋めを行うべく、政府は以下の指針を示しています。

週5日制は維持
2-3学期の間の休みを1週間短縮し、2学期の授業数(10週)を維持
2学期は休校に入る前の授業から継続
2学期の授業数を毎週8コマ(月水金2コマ、火木1コマ)追加
3学期から年間指導計画の予定に復帰

出典:
“Resumption of Schools in the National Education System including Permitted and Private Schools following Corona Virus SOE”

“Instructions to recover lost instruction hours during covid 19 SOE and clarifications on education calendar and term dates”

子どもたちのいま

パプアニューギニア政府は、2020年4月22日から5月1日にかけて、小中高404校、及び幼稚園52校の校長に電話インタビューを行いました(対象児童生徒数:127,504名)。下記主な調査項目に「はい」と回答した学校の割合を列挙します。

  • 学習コンテンツにアクセスできた子どもは半数未満:72%(またこれら学校は同時に「電力がある家庭が半数に満たない」と回答)
  • ほとんど子どもがラジオにアクセスできる:22%
  • 新型コロナウイルスの正確な情報を得るのが難しかった:82%
  • 家庭学習の状況がわからない:78%
  • きれいな水へのアクセスなど、清潔を保つことが困難:75%

こうした状況から、家庭学習の支援に必要な学習コンテンツは、ドリルやワークシート、教科書などの紙媒体をあげる学校が半数以上を占め、ラジオやテレビ、オンライン授業を望む学校は、少数にとどまりました。多くの子どもたちは、休校期間中、学習の継続が困難であった様子が浮き彫りになりました。

出典:
Papua New Guinea COVID-19 Education Emergency Response and Recovery Plan as of 4th of May 2020   


パデコの取り組み(2021/9/5更新)

プロジェクトの概要

2005年から、テレビ授業番組の製作と、その普及のための支援活動を行いました。また2016年からは、同国初の国定教科書(小学校算数・理科)の開発を支援し、パプアニューギニアの遠隔教育、紙媒体両方の学習コンテンツの充実に長く貢献しました。2020年からは「初等理数科教員養成校強化プロジェクト」に参画し、全国の初等教員養成校共通の理数科教材及び講師用指導書の開発を支援しています。

プロジェクトの現状

パプアニューギニアにおける新型コロナウイルス感染症の状況により、専門家はまだ現地へ渡航できていませんが、カウンターパートや現地の養成校と遠隔で協議を重ねつつ、教員養成校の教材と講師用指導書の開発を進めています。

参考:

文責:沖重愛佳(プロジェクト・コンサルタント)


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