シエラレオネの教育の今

教育の現状(2021/9/8更新)

学校の状況(休業の状況)

シエラレオネでは、新型コロナウイルス感染拡大により2020年3月より休校が開始されましたが、2020年7月より、まず小・中・高の卒業(進級)試験の受験者を対象に学校が再開され、同年10月には全ての学校が再開しました。

政府の対応状況

休校期間中、政府はラジオ放送にて教育プログラムを提供し、140万人の子供たちが学びを継続することができたと言われています。2015年にBBC Media Actionが実施した調査によると、同国でのメディアへのアクセスは多い順に、携帯電話(83%)、ラジオ(81%)、テレビ(45%)、インターネット(16%)となっており、ラジオを通した教育プログラムの提供はより多くの子どもたちにリーチするために有効だとみなされています。政府は、学校再開後もラジオ放送を続け、子どもたちは学校の授業とラジオの両方で勉強できるようになっています。

学校再開前に、基礎教育省はドナーの協力の下、エボラ出血熱流行時に開発した学校安全プロトコル(School Safety Protocol)と心理社会的サポートガイドライン(Psychosocial Support Guidelines)を全国の小学校~高校(計11,000校)に配布し、22,000名の教員に健康・安全に関する研修を実施しました。また、全ての学校に、フェイスマスク、石鹸、バケツ、体温計といった感染対策用品を支給しました。現在、子どもたちは、健康プロトコルを守りながら学校に通っているといいます。しかし、全ての学校に使用可能な手洗い場やトイレなどの設備が整っているわけではなく、感染対策を充分に講じながら学びを続けることは容易ではないようです。

参考文献:

The World Bank, “Protecting children from Learning Loss in Sierra Leone” (2021/7/7)
The World Bank, “School hits the Airwaves: Sierra Leone Turns to Education Radio as a Response to COVID-19” (2021/5/13) 
World Bank Blogs, “Like a Phoenix: Sierra Leone’s journey to build back better after crisis strikes” (2021/4/22)
The World Bank, “Protecting Children from Learning Loss: Sierra Leone’s Experience with Distance Learning and Keeping All Students Safe” (2021/3/17)
BBC Media Action, “Sierra Leone – Media Landscape Report” (2018/12)
Save the Children, “Safe Back to School: Sierra Leone”

文責:大橋 悠紀(プロジェクト・コンサルタント)


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